印西Fever
元祖住みよさ日本一の千葉県印西市を紹介
投稿日 2021.05.15 更新日 2021.05.19

奇跡の台地で育まれた印西市

千葉県印西市の数奇な運命を語ります。千葉ニュータウン構想は一度失敗をしたからこそ、東洋経済住みよさランキングでは七年間にもわたり、印西市が日本一の王座に輝くことができたんじゃないかと思います。

何もない秘境だった印西市

千葉ニュータウンができる前の印西市は、本当に何もないアマゾンのような密林地帯でした。標高20~30mの台地である上、さらに、周辺からの侵入を阻むよう湿原や河川に囲まれ、隔絶された聖域のような場所でありました。当時は印西町と呼ばれ、住人はいるにはいましたが、その暮らしぶりも謎に包まれていました。大半は台地周辺の湿原地帯で稲作などをして暮らしていたようです。いちおう、JR成田線(我孫子~成田)が北部の湿原地帯を横断していましたが…駅周辺は閑散としているのに、どこから人が湧いて出て来て電車を乗り降りをしているのか最大の謎でした。そのくらい木と沼地しかない場所でした。

印西市の類まれな自然環境と生き物たち

冒頭でも触れた通り、印西市はちょうど下総台地と呼ばれる小高い場所に位置しております。高台の上に沼地や河川で囲まれ、周辺から完全に隔絶され続けて来たため、東京至近の場所でありながら、手つかずの大自然が取り残される形となりました。これにより独自の生態系を持つまでに至り、天然記念物に指定された生き物がたくさん生息しています。流石にクマはおりませんが、イノシシとかタヌキなどの小動物はたくさんおります。天然記念物に関しては内緒です。マニアなら知っているとは思いますが…具体的に例を挙げると、採取にやって来る人が本当にいるらしいのでやめておきます。

都市機能と自然環境が絶妙に調和した不思議な世界

そんなギアナ高地のような場所だったところに千葉ニューは作られました。当初は人口30万と盛りに盛られていましたが、バブル経済崩壊後は関係者の頭が冷却されたのか…計画は半分に縮小されました。今、冷静に考えると、30万人の根拠がなんであったのか不思議です。たぶん、今の就職氷河期世代が席巻したであろう幻のベビーブームを当て込んだものだったんでしょうね。でも、当初のバブリーな勢いで開発を進めていたら、残された自然環境も破竹の勢いで潰されていたかも…むしろ、開発スピードが鈍化したことで、都市機能と自然環境の双方がじわじわ馴染んで、今日の印西市が形作られたような気もします。

首都圏屈指のニュータウン・お買い物天国として大発展

バブル経済崩壊後の印西市は燦々たるものでした。市内に進出していた大手スーパーが撤退する等、千葉ニュータウン周辺も凄まじく黄昏始めました。開発のストップした宅地造成地から砂埃が舞い上がり、さながらゴールドラッシュが終焉した西部を彷彿をさせる惨状でした。失望して印西から転出する人も後を絶ちませんでした。しかし、そんな千葉ニューに転機が訪れます。あのジョイフル本田がやって来ます。これが契機となり、後に続くよう次々とお店がやって来るようになり、気づいたら欲しい物があればなんでも買い揃えることができるお買い物天国の街として大発展します。

首都圏の最先端医療・防災拠点として

印西市と言えば印旛日医大です。なんでこんな田舎に最先端の医療設備を整えた大学付属の超巨大病院を作ったのが謎なんですが…北総線が乗り入れている都内の路線をご利用されている方なら、日頃から電車の方向字幕からこの名称を目にする機会は多いと思います。また、医療ドラマのロケ地としてたびたび使用されています。具体的な場所はわからなくても、建物を見た瞬間、既視感のようなものを覚える人も少なくないと思います。日本で初めてドクターヘリが導入された病院で知られます。119番通報してもいきなりヘリは来ませんけど、印西市民の中でもコレで同病院へ救急搬送された人は意外といるようです。

印西市が地震に強いのは本当か?

印西市はその特異な地形から地震や水害に強い場所だとも噂されています。実際、下総台地は長い歳月をかけて土が堆積して形作られた強固な地層帯で、大きな活断層のない安全な場所だと言われています。昨今はこれを売りに不動産屋が住宅販売に精を出しております。また、事業継続性計画の一環でデータセンターや基幹物流拠点を印西市に置きたがる企業も増えています。とりあえず、印西市が首都圏直下型地震の震源地になるようなことはないと言えます。印旛日医大もありますし、首都圏で万が一の事態が発生したら、印西市が防災拠点として活用されることでしょう。当然、台地の上ですから水害にも強いです。

首都圏直下型・南海トラフ巨大地震で心配される影響

印西市は地震に強いとされていますが…あくまでも、直下に巨大地震の引き金となる活断層がないと言うだけの話であって、耐震性がある、揺れないと言う訳ではありません。東日本大震災の際は、周辺自治体は震度5強であるのに対して、印西市は震度6弱を記録しました。固い岩盤の上に乗っている訳ですから、逆に大きく揺れた感じになったようです。首都圏直下や南海トラフでも同程度の最大震度が想定されております。ただ、千葉ニューは住宅が密集しておらず、大規模火災等の二次被害の心配がありません。広い公園もたくさんあるので安心です。また、内陸の台地の上ですから津波の心配もありません。

防災面から見た印西市の思わぬ弱点

首都圏の中でも地震と水害に強い場所として注目を集めていた印西市ですが…2019年、過去最強レベルとなった台風19号が千葉県を襲来した際は、印西市も停電や家屋損傷の被害が続出しました。千葉ニュータウンでは無電柱化が進んでおりますが…それは、ここ数年ほどの間に開発された新しい地区に限られます。初期の頃の地区ともなれば停電被害は免れませんでした。印西市は真っ平な台地の上にあるため横風が強くなりがちです。元々、密林地帯でもあったので倒木による停電被害が続出しました。財政面は全国トップレベルなのですから、市内の無電柱化をより強力に推進して欲しいと願うところであります。